会長挨拶

第39回日本脳神経血管内治療学会学術集会

会長 佐藤 徹

(近畿大学医学部脳神経外科/脳卒中センター)

佐藤 徹

このたび第39回日本脳神経血管内治療学会学術集会(JSNET2023)を2023年11月23日(木)~25日(土)の3日間にわたり国立京都国際会館で開催させていただきます。歴史ある本学術集会を主催させていただくことを大変光栄に存じております。この場をお借りしてご指導いただきました先輩方、ともに働いた方々、ならびに全国の会員の皆様に厚く御礼申し上げます。

本学術集会のテーマは「脳血管内治療の進歩と調和」といたしました。これは私の生年である1970年に大阪で開催された日本万国博覧会のテーマである「人類の進歩と調和」になぞらえたものです。

このテーマは仏語では“Progrès Humain dans l'Harmonie”(調和のもとにおける人類の進歩)と訳されております。

脳神経血管内治療が脳卒中のfirst line therapyとなった原動力は言うまでもなく機器と技術の進歩であり、治療医は最新の技術、知識を身に着けて治療にあたる必要があります。しかしながら、治療を行うにあたっては様々な調和が必要です。

機器・技術と治療医の間、血管内治療医チーム内、脳卒中治療におけるcounterpartである直達外科医との間、治療をサポートしていただいているコメディカル、各企業の方々との間、他診療科との間、そして何よりも病態と治療の間の調和を図ることによって患者さんに最も良い結果をもたらすことができる、ということを私たちは強く認識するべき時期に来ているのではないか、と考え、上記のテーマとしました。

このテーマは決して新規デバイス、治療法などのcutting edgeを鈍化させる意味ではありません。むしろ会員が各々の経験とアイデアのすべてを持ち寄り、新しいものを盲目的に礼賛するのではなく、逆に忌み嫌い畏れることもなく、社会へどのように調和させていくのかを議論し、そして未来への方向性を探索していくテーマである、とご理解いただきたい、と思います。

また、文化講演には芥川賞作家の平野啓一郎氏をお招きしております。平野氏の提唱される「分人」とは、対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格のことを指すようですが、これらを調和させながら生きていくことも我々にとっては大事なことと考えます。平野氏の講演が皆様のこれからの活動に勇気と希望を与えてくれるものと確信しておりますので楽しみにしていただければ幸いです。

この文章を書いている時点ではまだCOVID-19の終息は見えておりませんが、前年度会長の藤中俊之先生が考えておられたのと同様、JSNET学術集会の伝統ともいうべき「白熱しながらも調和のとれた討論」をさらに発展、実現させたい、と考えております。

本学会で新しい知見を得る、あるいは知識の再整理をするだけではなく、WEBでの参加・聴講では磨くことが不十分になってしまいがちなcommunication skillも本学会でしっかりと養っていただきたく存じます。社会情勢の許す限り、現地での参加をお願い申し上げます。 本学術集会が会員の皆様にとって実り多きものとするべく、精一杯準備してまいります。

錦秋の京都で皆様をお待ちしております。

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